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はじめてのアーユルヴェーダ -キホン編-

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アーユルヴェーダでデトックス!毒素「アーマ」が蓄積する原因と改善方法

アーユルヴェーダはデトックスの生みの親
注目の美容健康法「デトックス」。昨今では、世界中の人が、自分の不調は「毒素が溜まっているせいでは?」と考えるようになりました。急に広まったように感じられる「デトックス」や「解毒」ですが、実はアーユルヴェーダでは、紀元前にすでに気づき、実践していました。 今回は、デトックスの生みの親・アーユルヴェーダにおける、正しいデトックスの考え方と、具体的な実践方法について紹介します。

アーユルヴェーダにおけるデトックスの考え方とは?

アーユルヴェーダを一言で表すなら「引き算の医学」です。「体にたまった過剰な毒を抜く」という考え方をベースにしています。なので、その人の体質を表す「ドーシャ」という言葉も、実は「増えやすいもの」という意味を持っています。その増えやすいものが過剰になると、自分の本来のバランスを崩し、やがては病気を引き起こす、と考えます。
 
さらにアーユルヴェーダでは、一口に「毒」といっても、その人にとって毒になるか薬になるかは、人それぞれ異なると考えます。また、どんなに素晴らしいものでも、使い方を間違ったり、時間や季節などのタイミングがずれてしまうと、途端に毒になるとされています。
 
それだけではなく、毒は、心や環境、人間関係にも溜まるといわれています。毒はあらゆるものに溜まり、循環を悪くして、さらなる毒を生み、流れをせき止めてしまうのです。少し飛躍しているように聞こえるかもしれませんが、運気を上げるのもデトックスからはじまります。最近広まっている「断捨離(だんしゃり=不要なものを減らそうとする考え方)」は、実は運気を上げる重要なライフスタイルなのです。
このように、デトックスはアーユルヴェーダの得意分野。デトックスを知ることは、アーユルヴェーダを知ることにも等しいくらい、両者は深い関係にあるのです。

デトックスにおける重要な用語「アーマ」とは?

アーユルヴェーダのデトックスにおいて重要なのが、「アーマ」という言葉です。先ほどから使っている「毒」という言葉を、アーユルヴェーダの定義に置き換えて呼ぶと「アーマ」になります。その正体は、老廃物や未消化物。3つのドーシャがアンバランスになると、消化や代謝がうまく進まなくなり、老廃物や未消化物(=アーマ)がたまります。それが毒素となって、病気を引き起こすのです。

あなたはどれくらい毒素が溜まっている?アーマの蓄積度をチェック

さて、デトックスの実践方法を紹介する前に、まずはあなたがどれくらいアーマを蓄積しているのかチェックしましょう。それだけでなく、あなたのアーマが、どのタイプのドーシャを持っているのかも知らなければなりません。それによってデトックスのやり方が変わってくるからです。
 
なお、アーマは体だけでなく、心にもたまります。なので、毒素のチェックは「体」と「心」の両面から行っていきましょう。

体の毒素チェック

体の毒素をチェックしましょう。
以下の質問に当てはまる場合は4、まったく関係ない場合は0、ときどきある場合はその頻度に応じて1~3にしるしをつけてみましょう。

≪ボディリ・アーマチェック≫
4=よくある 3~1=ときにある 0=まったくない
①食べ物への興味がわかず、食事時でも腹がすかない 4・3・2・1・0
②食べても味がしない 4・3・2・1・0
③胸やけがしたり、酸っぱいものが込み上げてくる 4・3・2・1・0
④舌に苔がある、あるいは口内がねばねばする 4・3・2・1・0
⑤発疹やにきび、他の化膿など病変ができて治りにくい(歯槽膿漏も含む) 4・3・2・1・0
⑥尿の濁りが強い 4・3・2・1・0
⑦慢性の便秘や下痢がある
4・3・2・1・0
⑧おならの臭いや体臭、口臭が強い 4・3・2・1・0
⑨関節や足の裏、かかとなどが理由もなく痛む 4・3・2・1・0
⑩寝て起きたとき、体がだるく、こわばっている 4・3・2・1・0
合計点数:ボディリ・アーマ蓄積度  
                                
いかがでしたか?
理想は言うまでもなく0点です。毒素に気づき、いち早く対処する「毒素バスター」を目指しましょう。また、上記の不調から、どのドーシャのバランスが崩れているかも分析できます。

●カパの毒素……①、②、④、⑥
●ピッタの毒素……③、⑦(下痢の場合)、⑧
●ヴァータの毒素……⑦、⑨

どのドーシャの毒素が増えているかを知ると、生活の中で注意することが変わってきます。

心の毒素チェック

次に、心の毒素をチェックしましょう。
心の不調は、体より気づきにくいところもあるかもしれません。自分の胸に手をあてて、落ち着いて答えてみてください。

≪メンタル・アーマチェック≫心の毒素
4=よくある 3~1=ときにある 0=まったくない
①いろいろ思い浮かぶけれども集中力や注意力がない 4・3・2・1・0
②怖い夢や不安な夢をみて、疲れてしまう 4・3・2・1・0
③心配で気持ちが落ち着かないことが多い 4・3・2・1・0
④理由もなく腹がたち、人の欠点が目につく 4・3・2・1・0
⑤何をするにも気が進まなく、しりごみしてしまう 4・3・2・1・0
⑥物事に興味がむかず、投げやりな気持ちになる 4・3・2・1・0
⑦不安や焦りなど否定的な気持ちばかり浮かぶ 4・3・2・1・0
⑧過去を思い出したりしては、いつまでも後悔する 4・3・2・1・0
⑨目がさえて眠れないことが多い 4・3・2・1・0
⑩何かと死にたい気持ちになる 4・3・2・1・0
合計点数:メンタル・アーマ蓄積度  
                                
いかがでしたか?
上記の質問はすべてが、アンバランスの状態に対するものです。

理想はヴァータ、ピッタ、カパともすべてにわたって0点です。もし一項目に25点以上のものがあった場合は、かなりそのドーシャが乱れています。鎮静療法(増えているものと反対の性質のものを取り入れる)を取り入れてみるとよいでしょう。
 
ヴァータが多くなっていたら・・・リラックス、安定、温かく、潤いを取り入れる。
ピッタが多くなっていたら・・・鎮静、落ち着き、冷却性を取り入れる。
カパが多くなっていたら・・・運動、軽さ、乾きなどを取り入れる。
 
10点以下としても安心しないで理想の0点目指し、生活の中でできることから解毒を心がけてみてください。
 
ちなみに、体の不調と同様、心の不調にもドーシャのタイプがあります。
●カパの毒素……⑤、⑥、⑧
●ピッタの毒素……④、⑩
●ヴァータの毒素……①、②、③、⑨

心のクセとドーシャの関係
また、「不安になりやすい」「怒りっぽい」などの心のクセからも、どのドーシャの毒素がたまっているかわかります。以下の表にまとめてみました。
①不安、恐れ ヴァータ性の心の毒 動き、軽さ、不規則、乾き、冷たさなどの毒
②イライラ、怒り ピッタ性の心の毒 熱、鋭さ、速さなどの毒
③引っ込み思案、遠慮 カパ性の心の毒 重さ、粘性、不活性、遅さなどの毒
 

アーユルヴェーダの代表的なデトックス方法5つ

さて、自分にどれくらいアーマが蓄積されているかわかったところで、実際のデトックス方法について、代表的なものを5つ紹介します。さっそく実践して、体内の毒素をやっつけていきましょう!

1.白湯を飲む

白湯は、簡単かつ安価な消化促進剤であり、解毒剤です。水を沸騰させることで火のエネルギーが生まれ、消化を促進し、体内をデトックスします。朝晩、欠かさずに白湯を飲むことで、便通や体調不良が自ずと改善されるはずです。
 
もっとも簡単な取り入れ方は、起床して15分以内に、コップ1杯の白湯をゆっくり飲むこと。また、食前や食中にすするように飲むと、消化を促すといわれています。食後の白湯もおすすめですが、カパが多くなっている時は、すぐにはとらないほうがよいでしょう。

白湯の作り方
①やかんに水をいれ強火にかける
②沸騰し始めたらふたをとり、大きな泡が立つくらいにして10分以上沸かし続ける
③火を止めて飲める程度の温度になったらすするように飲んでいきます。
④残りの白湯は保温ポットにいれ、好きな時に飲むようにしましょう。
 
解毒白湯の作り方
2リットルの水にカルダモン2~3粒を砕いていれ、上記と同様沸騰させましょう。さわやかな香りが立ってきます。
起床すぐ飲むことで、体の毒素を取り除き、腸や腎臓を浄化します。
 
ドーシャ別白湯の飲み方
下記を目安に40~80度の温度の白湯を1~2リットル、のどの渇きに合わせて飲みましょう。
 
ヴァータ……風の質で冷えやすいヴァータは、60~70程度の温かさを感じる温度
ピッタ……熱い質を持つピッタは、40~50度程度。暑い季節は、常温水でも構いません。汗をかきやすいので、水分補給はこまめに。ただし、胃腸から出血している場合などは、白湯を控えてください。
カパ……水の質で冷えやすいカパは、70~80度程度。舌が少し熱さを感じる温度で、体を温めましょう。

2.オイルマッサージ

アーユルヴェーダではデトックスを促す効果的な方法です。
温かいごま油で体をマッサージし、発汗させます。オイルを体の表面である皮膚から吸収させ、ごま油など、キャリアオイルと呼ばれる植物油を、皮膚の深い層である真皮層に浸透させていきます。体に蓄積している毒素を動かし、排出させる作用が期待できます。

3.断食

アーユルヴェーダでは、断食は「アグニ(=消化力)を立て直すもの」といわれています。
簡単に行える断食は、夜の食事を軽くするか抜くこと。本格的に断食する場合は、一日白湯だけで過ごす「一日断食」がおすすめです。

4.浄化療法(パンチャカルマ)

医療機関で行われる5つの解毒法のこと。催吐法、寫下法、経鼻法、寫血法、浣腸法の5種類があります。
また、自宅で行う場合におすすめなのは、「アーマ・パーチャナ(毒素排せつ法)」。
白湯飲みからはじまり、小食、入浴などを通して、排便・排尿・発汗を促し、体内の毒素を排泄します。

5.食事を変える7つの習慣

①腹八分で食べる
②よく噛んでいただく
③食事の前に消化促進になるショウガなどをいただく
④食事中に白湯をすするように飲む
⑤食事中は楽しんでいただく。文句や不満など言いながら食べない
⑥アグニ(消化力)に見合った食事量をいただく

アーマ・パーチャナ:セルフ解毒

①白湯のみ
朝に一杯:腸の動きが活発になり代謝が上がる
夜に一杯:内臓がその日の毒を処理しようと働き、デトックスが活発になる
 
②少食
アグニを立て直すという考えかたが小食を勧める一番の理由です。アグニとは消化力のこと。
 
アグニの変動に応じた食事
自然のリズムをしって食事の量を調整する。これは日内変動と比例します。朝はアグニ(消化力がそこそこ)昼はアグニ(高い)夜はアグニ(低い)そのため時間では昼をメインにし、朝晩は少な目。また個々人のアグニ(消化力)に応じた食事の質や内容、量が大切、さもないと毒素をためることになりかねない。
 
アグニを高める薬草やスパイスを積極的に取る
ショウガ、トリカトゥ(ピパリ・ブラックペパー・ジンジャー)、生のしょうが薄くスライスしたものを数枚にあら塩とレモン汁をかけたものを食前の15分から30分前にいただくことでアグニを高める。またトリカトウ(3辛)とよばれるスパイスを調理や飲み物に使用してみる
 
運動をする
適度な運動と入浴は発汗を促し、解毒を促進する
 
大小便の排泄
オオバコ、フノリ、海藻類などの良質な食物繊維をとることで排便の質を高める
 
汗を出す
適度な汗を出すことでピッタの浄化を図る

気をつけたい!アーマが蓄積される生活習慣6つ


ここまではデトックスの実践方法を紹介しましたが、大切なのは日ごろから毒素を蓄積しない生活を送ることです。以下では、アーマを蓄積してしまうシチュエーションと、その対処法について紹介します。

1.不規則な睡眠

仕事や育児など、忙しい毎日を送っていると、満足に睡眠をとれない方も多いのではないでしょうか。しかし、睡眠不足はアーマの蓄積につながります。なぜなら風のエネルギー、ヴァータを増やすことで消化力を不規則にして増します。  
おすすめの対処法は、週に一度、「今日は休む!」と決めた日を作ること。仕事や家事のプレッシャーから解放される時間がないと、心身が疲れ、どんどん毒素がたまっていきます。主婦の方は、旦那さまに育児を任せる「育児デー」を作るのもよいと思います。

2.食べ過ぎ・不適切な食事

食べ過ぎは重さの質のカパを増やし、消化する力に負担となり、結果アーマと呼ばれる未消化物を体に蓄積することになります。 不適切な食事とは、Aさんにあう食事内容でも、Bさんには合わないことがあるという考えです。
 
例えば
Aさんは、冷え性で便秘がち・・・勧められるのは適度な油分を含む温かい食事です。
Bさんは、暑がりで下痢ぎみ・・・苦味のある緑黄色野菜で腸の状態を整えるのがお勧めです。
 
もしBさんがAさんから私は良質なオイルを食事に取り入れたら体調がよくなった、ということを、うのみにしておこなったらBさんの今の体調には不適切な食事となります。

3.運動不足

運動不足は、体に重さの質をため込んでいきます。やがては気分までもが、重くなり何をするのもおっくうになりかねません。適度な運動で体に熱を算出し消化力も高めていきましょう。

4.マイナス感情

マイナスな感情は、その感情が人の行動にも影響を与えます。イヤイヤ、シブシブなどのマイナス感情は心の毒素です。

5.添加物の取りすぎ

添加物は体が消化するのに自然のもの以上に負担がかかります。また消化でききらずに体に蓄積されることがあります。できるだけ添加物を取らない食習慣を選びましょう。

6.経皮毒

毒素は口から入る食品ばかりとは、限りません。身の回りの排気ガス、たばこの煙、汚染された海から取れた魚….。皮膚からも毒素が入ることを経皮毒と呼ばれます。シャンプー、リンス、洗剤など日用品の性質を見直すようにしてみてください。
≪私たちの周りの毒素≫

プラスワンアドバイス!消化力を高め、腸を元気にする食習慣

今回は、さまざまなデトックス方法を紹介しました。未消化物であるアーマの発生を防ぐには、消化力を高めることがとても重要だとわかりましたか?最後に、消化力を高めるために、腸を元気にする食習慣を紹介します。ぜひとも参考にしてみてください。

≪腸を元気にする食習慣≫
①食前にキャベツの千切りにお味噌をつけていただく
②納豆や味噌などの発酵食品で腸内環境を整える
③水溶性植物繊維、不溶性植物繊維をうまく取り入れる

*水に溶ける植物繊維、水溶性植物繊維の含むもの。
●りんごなどペクチンを多く果物や野菜
●アルギン酸を多く含む昆布や海藻
●グルコマンナンを含むこんにゃくなど
 
※水に溶けない植物繊維、不溶性植物繊維は腸内環境のデトックスに効果的です。
インゲン豆、あずき、おから、えのき、切り干し大根、干し柿、アーモンド、きのこ類などに多く含まれます。
 
 
参考文献:
「アーユルヴェーダ実践BOOK」
「おうちで毒出し!アーユルヴェーダ」

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