暮らしに活かすアーユルヴェーダ -ジッセン編-

【これからの美しさの秘訣】アーユルヴェーダライフに取り入れたいシルク美容法

ユナニ医学発祥の地「ペルシャ(今のイランなど)」、アーユルヴェーダを広めた「インド」、東洋医学発祥の地「中国」、これらは“シルクロード”に沿って栄えた国であり、シルクは伝統医学に取り入れられながら、美容と健康を導く素材として上流階級に重宝されてきました。
 
現代は、望めば誰でも気軽に身につけられるものですが、高級品というイメージばかりが先行し、シルクの本当の魅力を知らない人も多いのではないでしょうか?
 
今回は、シルクが持つ美容・健康効能をご紹介すると共に、アーユルヴェーダライフで上手に活用する方法などをご紹介したいと思います。
 

アーユルヴェーダ シルク美容とは?




シルクは、蚕の繭からとった繊維で、蚕のタンパク質から出来ています。
一見表面がつるつるとしているように感じますが、実は目には見えないような小さく細かい穴が無数に開いていて、そこから入った空気を取り込んだり出したりできるので保温性も透湿性も高く、美肌効果も高いと言われています。
 
アーユルヴェーダでも、肌に身に着けるといいものの筆頭として挙げられており、ラサーヤナ(若返り療法)やアーマパーチャナ(毒素排出法)の一つとしてシルクを身に着けることを大切にしてきました。
 
●シルクに秘められた美容効能
シルクの原料である繭の糸は、タンパク質からなり、18種のアミノ酸を含んでいます。
シルクの成分であるセリシンのアミノ酸は、お肌に近い成分で肌にやさしく作用し保湿・美肌・美白・抗酸化作用などが期待されています。またシルクは吸・放湿性、保湿性に優れ、冷え対策にも効果的です。

フィブロインという成分は紫外線カット機能及び抗菌、抗酸化作用があるとされ現在化粧品や健康食品などにも幅広く活用されています。

さらにシルクには、人間のお肌にも必要な成分が多く含まれるため、身に着けるだけでお肌の細胞が活性化したり、皮膚病にも効果が期待できたりすると言われています。

また、お肌だけでなく、血管の硬化を防いだり、内蔵の働きをよくしたり身体を温めて冷え性を防いだりと、身体の内部にまで良い影響を及ぼすと言われています。
 
シルクは、エイジングケアをしたい人やデトックスしたい人に、積極的に取り入れて欲しい天然素材と言えるでしょう。
 

アーユルヴェーダライフでシルク美容法を実践する方法




ここからは、アーユルヴェーダの教えに基づいて生活の中で手軽にシルクを取り入れる方法をご紹介します。
 
●肌着として身につける
シルクは、お肌に直接触れる衣類として取り入れるのがオススメ、
ショーツやキャミソール、パジャマなどがシルク素材だと、美肌効果が期待できます。
また、最近だと毎日つけているマスクをシルク素材にするというのも良いですね。
 
ちなみに、アーユルヴェーダでは、シルク以外にコットンやウール、麻といった天然素材も身につけると良いものとして上げられています。
 
●朝のシルク美容法
朝6時~10時のカパの時間帯は、シルクの手袋またはシルクのタオルで乾布摩擦(ガルシャナ)を行うのがオススメです。
リンパの流れが良くなると共に、むくみが取れ、代謝も上がるのでダイエット効果が期待できます。
また、朝洗顔のあとの顔拭きタオルをシルクにするのも良いですね。
さらに、シルク素材のウェアを身に着けてヨガを行うことで効果が倍増します。
 
●日中のシルク活用法
朝10時~14時はピッタの時間帯、ピッタは汗をかきやすい方が多いですが、シルク素材は吸湿性・透湿性が高いのでその不快感を緩和してくれます。
また、シルク独特の柔らかくマイルドな肌触りが、イライラしがちな心を落ち着かせてくれます。
肌に直接触れる下着にシルク素材を取り入れるのが良いでしょう。
 
●午後のシルク活用法
14時~18時はヴァータの時間帯は、シルクマッサージがオススメです。
ヴァータ調整なので、ガルシャナより優しいタッチで、時間をかけて丁寧にマッサージしましょう。
最後にオイルを塗るとより浸透が良く、お肌がモチモチになります。
 
●夜のシルク美容法
シルクの下着・パジャマを身につけて眠るシルク睡眠は、究極の美容法!
アーユルヴェーダでは、ラーサーヤナ(若返り)効果があると言われています。
衣類だけでなく、シーツなどもシルクに変えると、より良質な睡眠を得ることができます。
 

シルクのお手入れでヴァータを調整しましょう!



シルクの品質を保つためには、丁寧にお手入れすることが大切です。
このお手入れを通じて、ものを大切にする心を育んでいきましょう。
 
<普段のお手入れ>
・柔らかなブラシで織目に沿ってホコリを優しく払い落とします。
・ハンガーなどにかけて、風通しが良く直射日光の当たらない場所に吊るします。
 
<お洗濯の方法>
・中性洗剤を使って、30℃のぬるま湯で手洗いします。
・優しく押し洗いする程度で、もみ洗いやつかみ洗いは避けましょう。
・汚れのひどい箇所は、軽く叩くようにして洗います。
・大きめのバスタオルで丁寧に水気を拭き取って、陰干ししましょう。
・塩素系漂白剤は使用しないようにしましょう。
 
<アイロンの掛け方>
・必ず木綿などを当てて、温度は130℃程度にしすばやくかけるようにしましょう。
・水の汚染などによってシミになることもあるので、注意しましょう。
 
シルクのお手入れは、なかなか手間がかかりますよね。
でも、このように上質なものを丁寧に扱い、大事にする習慣を身につけることは
心に潤いとやさしさを育てていきます。
また、成熟した大人のための古くて新しい美容法とも言えるでしょう。
 
たかがシルクのお手入れと侮ることなかれ、
これらの行動は、現代人が増幅させがちなせっかちで落ち着きのないヴァータの特性をバランスし、身体の冷えやお肌の乾燥・くすみ、髪のバサバサといった老化現象を内面から減らしていくことにもつながるのです。
 

まとめ

今回は、アーユルヴェーダに基づいたシルク美容法について解説しました。

●シルクは、世界の伝統医療に沿って繋がるシルクロードを通って、その魅力が伝わっていきました。
●アーユルヴェーダでは、シルクを身につけることは、ラサーヤナ(若返り療法)やアーマパーチャナ(毒素排出法)の一つだとされています。
●シルクに含まれる成分により、美肌効果や健康効果が期待できると言われています。
●アーユルヴェーダには、朝から夜寝る時までドーシャ時間に応じたシルク活用法があります。
●シルクを丁寧に扱いお手入れすることは、内面からのヴァータ調整に繋がります。
 
便利さを追求するあまり、巷には使い捨てのものが溢れていますが、このような時代にこそシルクというちょっと贅沢なものを大切に保有し、本物を知ることの豊かさと心の余裕を育てていけるとよいですね。
 

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