はじめてのアーユルヴェーダ -キホン編-

いま注目の予防医学!未病を防ぐために必要とされるアーユルヴェーダ

最近、未病という言葉をしばしば耳にするようになりました。これは中国医学の用語で『黄帝内経素門』に記載されたもので、已病【いびょう】(既に病んだ状態)に対する用語です。つまり、「未だ病まざる状態」ということです。

3つの医学の病気と健康の位置づけを比べたものです。

現代の西洋医学は、病気でなければ、健康という定義を下す傾向にあります。しかし、中国医学あるいは漢方医学では、病気が発病する前の状態を未病として定義し、その前に手を打つことをすすめています。病気になってから対処するのでは、あたかも干ばつが起きてから井戸を掘るようなものだというのです。まさに現代医学の盲点をついた概念でしょう。

このように伝統医学では、病気が進展する前に対処するという予防医学的概念が主流でした。これらの伝統医学の中でもアーユルヴェーダの未病理論は中国医学よりもさらに徹底しています。中国医学で未病としている状態を、さらに4つに細分化することで、病気の過程を克明に観察し、それを紡ぐ手だてを持っていたのです。

そのような、疾病の進展する過程は、トリドーシャのバランス状態によって分類されています。
ドーシャがバランスを崩すということは、増大しすぎるという意味ですが、増大したドーシャは、一定の部位に蓄積してきます。そこで、増悪して、局所的な症状を発生するようになります。
それがさらに進展すると、全身に播種【はしゅ】(散らばること)して、全身的な異常になってきます。そうなりますと、全身の弱い部位(抵抗減弱部位)にたまって極在化するようになります。その後、症状が明らかになり、最終的には慢性化することになるのです。

このようにアーユルヴェーダ的に見ていくと、慢性疾患がいかに長い過程で作られるかということが理解できるのです。最近、現代医学の研究からも、癌が10数年かかって発症することがわかってきました。まさにアーユルヴェーダの未病の状態で、すでに癌などの芽が出ていると考えられます。その段階で、アーユルヴェーダ的な診断を受けて、異常ありとされ治療を受けていれば、現代的な疾病の発生を予防できる可能性はあります。予防医学が注目される現代において、未病を治療するアーユルヴェーダが必要とされる可能性は大きいでしょう。

過去の記事

全て見る