はじめてのアーユルヴェーダ -キホン編-

アーユルヴェーダの効果まとめ!ダイエットから偏頭痛まで、美容健康の20の効果をずらり紹介

幅広い効果が期待できるアーユルヴェーダ

アーユルヴェーダは、個人差こそあるものの、とても幅広い効果が期待できます。
なぜなら、アーユルヴェーダは一人ひとりの体質や体調にあわせて、よい習慣や、よい過ごし方などを、どんどん取り入れていくから。ひとつの手段ではなく、無数の手段を内包している医学なのです。 たとえば、以下のような効果が期待できます。

【ダイエット】ガチガチの食事制限ではないダイエット。体内をデトックスして「やせ体質」が手に入った!
【冷え改善】寒い冬が苦手なわたし。毎日、白湯を飲んで血行促進、冷え性が改善された!
【アンチエイジング】ずぼらなわたしですが、若返りに効果的と聞いて、ごま油のうがいを毎日実践。
【体質改善】歯茎の調子だけでなく、顔ツヤがよくなり、その効果を実感!
【潤い】冬になると、体が乾燥してかゆくなっていたのが悩み。週に一回のオイルマッサージを行ってみたところ、すっかり解消!驚き!

なぜ効果が得られるの?

アーユルヴェーダはもともと医学ですが、インドでは病院で治療を受けるだけでなく、家庭の医学としても実践しています。体内にはヴァータ、ピッタ、カパと呼ばれる3つのエネルギー(=ドーシャ)が存在し、そのバランスが崩れることで病気が発生すると考えます。逆にバランスが整うと、からだが本来の機能を取り戻し、美容健康に効果を発揮する体系化されてきたアーユルヴェーダの理論には、ヘルスケアに役立つ智慧が満載です。自分の体を見極め、体や心が喜ぶケアを行いましょう。

3つのエネルギー(=ドーシャ)について詳しく説明した記事はこちら
『アーユルヴェーダで重要な用語「ドーシャ」とは? トリドーシャ、プラクティ、ビクリティにいたるまで徹底解説


ヴァータのバランスが乱れると?

不眠、便秘、肩こり、生理不順、腰痛、冷えなど、女性が悩む不調の多くは、ヴァータの乱れから起こることがほとんどです。その他、緊張性頭痛、脳・血管疾患、集中力の欠如、緊張しやすくなるなどの症状が起こります。行動も落ち着かず、衝動買いなどをしやすくなるのも特徴です。

ヴァータは大腸などの骨盤腔内にある大腸などに溜まりやすく、そこにヴァータの乾き、冷たさ、不規則、などのエネルギーが増え、便秘、生理不順、腹膨満などを引き起こしやすくなります。 さらには循環器系と神経系のバランスを乱すことにも関わるのがヴァータです。

ピッタのバランスが乱れると?

暑さに弱いピッタ。胃腸にトラブルが出やすく、湿疹やじんましん、目の充血肝臓や胆のう、胃腸の疾患など、消化器系のトラブルを引き起こしやすくなります。肝疾患、胃・十二指腸潰瘍、心疾患、アルコ-ル依存症、皮膚病、目の充血、下痢などにも注意が必要です。心理面では、短気で怒りっぽく、なにかと批判的で喧嘩っ早くなり、白黒つけたがるため、敵を作りかねません。

カパのバランスが乱れると?

カパが乱れると、むくみ、だるさ、肥満、アレルギー性鼻炎、気管支炎、ぜんそく、気管支疾患全般にかかりやすくなります。湿気にも弱く、関節の異常を起こりがち。思考が鈍くなり、抑うつ症状、物事に執着していつまでも根に持つことが増えるでしょう。

アーユルヴェーダの20の効果

効果を得られる仕組みはなんとなくわかりましたか? 以下では、アーユルヴェーダの代表的な20の効果を紹介します。

【健康編】

1.慢性的な疲れ
アーユルヴェーダは、疲労回復にも役立ちます。
疲れは、カパやヴァータが増えたり、アーマ(未消化物)が溜まると引き起こされます。消化力が弱まり、オージャス(=活力の源)が低下しています。

大切なのは、朝の過ごし方。朝からだるく、やる気が出ないような場合は、カパが増えていると考えられます。以下のように、お風呂に入りましょう。
①少し熱めのお風呂に入ってから、冷たいシャワーを膝下に浴びさせましょう。
②その後、再び1分、お風呂で温まり、また冷たいシャワーを膝下に浴びせます。
③また1分温まり、胸から下に冷たいシャワーを浴びせます。
④また1分温まり、全身に冷たいシャワーを浴びせます。
⑤最後に、体をよく拭き、室内でローズマリーやレモンなどの香りを楽しむとよいでしょう。
 
また、夕方はヴァータが増えやすい時間。午前中の疲れがのしかかってくる時間帯にもかかわらず、無理すると、さらに疲労は蓄積します。おすすめは、3時のティータイムを習慣づけること。黒砂糖、甘草(リコリス)、ショウガなどを入れた温かいお茶を飲み、張り詰めた神経をリラックスさせましょう。あわせて、呼吸法や瞑想なども日課にすると、頭の疲れが緩和されます。夜は、温めたごま油でのオイルマッサージなども効果的です。

2.眠れない、不眠
睡眠のトラブルを抱えている人は、国民の3人に1人とも言われています。アーユルヴェーダでは、眠れない時は、ヴァータとピッタが増えていると考えます。現代人に不眠はつきもの。夜遅くまでPCやスマホを使っていると、神経が休まるどころか消耗してしまいます。消耗してイライラすると、よりピッタが増えて目が冴え、不安や思い通りにいかないことをあれこれ考えてしまいます。すると、今度はヴァータが多くなり、より睡眠を妨げられます。

アーユルヴェーダがおすすめする不眠の対処法は以下の通りです。
①入浴
②頭、顔、額にビャクダン(サンダルウッド)を希釈したオイルを塗る
③オイルマッサージを受けるか、セルフマッサージを行う
④好みの音楽や香りを楽しむ
⑤気持ちがよい寝具で就寝する

3.ストレス、不安、うつ
ドーシャのタイプによって、ストレスの感じ方は異なります。ヴァータの人は不安を感じやすく、ピッタの人はイライラや怒り、カパの人は一人で抱え込んでしまう傾向があります。

ストレスの対処は以下の3点を心がけましょう。
①体のバランスを保つ
体に無理をさせない。笑ったり、楽しいことをするのが大切。
②心のバランスを保つ
ヨガを習慣づける。正しい呼吸法、瞑想などで心を落ち着かせる。ヴァータやピッタが過剰な時は、ラベンダーなどリラックス効果のあるハーブやアロマを、生活に取り入れるのがおすすめ。カパが過剰な時は、ローズマリーなど元気が出るハーブやアロマを取り入れる。
③ 心身を浄化する
食事に注意し、体内に毒素をため込まない。神経の働きを活性させるビタミンB1(ほうれん草、ゴマなどに豊富に含まれる)や、心身を安定させるビタミンC(緑黄色菜、緑茶など)をとるのがおすすめ。過度のストレスは自律神経のバランスを乱し、体の不調も引き起こすため、早めの対処を心がけましょう。

4.風邪
アーユルヴェーダでは、風邪には以下の4タイプがあると考えます。
  • ヴァータ性の風邪:全身のだるさと激しい頭痛を伴う。
  • ピッタ性の風邪:胃腸に不調が出やすい。
  • カパ性の風邪:くしゃみが頻繁に出て頭が重くなる。
  • 複合タイプの風邪:発熱するなど症状が重くなりがち。
風邪の初期症状では、ヴァータを鎮めることが大切です。休息を十分にとり、体を温めて、食事の量を減らします。さらに、うがいをしっかり行い、生のニンニクを2片食べましょう。
ただし、風邪の症状では、体が蓄積されたアーマ(未消化物)を排泄しようとして、発熱や悪寒、咳などとして出ることがあります。そのような時は、解熱や咳止めの症状を抑えることばかりでなく、症状をうまく出させることも大切です。
そのためには、食事を少なくしたり、消化しやすいお粥やスープのような温かく軽めのものにしてみることもすすめられます。風邪を早く回復させるためには、できるだけアグニ(消化力を立て直すことで、消化力が本来の状態に戻すように心がけます。熱があるときは足浴を行い、早めに寝ましょう。

以下の対処法を実践してみてください。
①休息を十分にとる
②身体を温める
③食事を減らす
④おろしたショウガと蜂蜜、レモンを同量いれお湯で割って飲む
⑤お湯にショウガをすりおろしたものか、ユーカリの精油を数滴入れ湯気を吸入する
⑥ビタミンCを取るようにする
⑦うがいをする(ごま油で行う「ガンドウーシャ」)

参照:『アーユルヴェーダでごま油のうがい方法。口内の毒素を洗い流して美容健康をお助け!』

5.せき、のどの痛み
咳やのどの痛みなど、呼吸器系疾患は、カパのアンバランスから起こると考えられます。そのため、カパを増やす甘いもの、酸っぱいもの、塩味を控えるようにします。反対に辛味や苦味などをとり、カパを抑えるのがおすすめです。乾いた咳やのどの痛みは、ヴァータが増えて起こります。ターメリック塩をお湯に混ぜたものか、ごま油でうがいすることをおすすめします。黒コショウと蜂蜜を混ぜると、強力な去痰剤(きょたんざい)になり、鼻水にも効果的です。

●咳やたんにおすすめのドリンク
ジンジャーティー:すりおろしたショウガにはちみつを加えたドリンク。
②タイムのハーブティ:強力な殺菌作用と去痰作用を持つタイムに、90度程度のお湯をさし、5分置く。その後、タイムを取り出し、冷ましてからうがいする。
③アロエジュース:アロエベラのジュースを食後に飲む。

6.頭痛
アーユルヴェーダでは、頭痛も4タイプに分けて考えます。
  • ヴァータ性頭痛:筋肉の緊張によって起こり、痛みが持続する。
  • ピッタ性頭痛:側頭部がズキズキと痛む。偏頭痛。
  • カパ性頭痛:一日中動かないときに頭や体が重苦しく感じる。
  • アーマ(未消化物)型頭痛:頭痛が頻繁に、かつ不規則に起こる。
改善するためには、規則正しい生活を送り、睡眠時間、リラックスの時間をとることが大切です。また、コーヒーなどのカフェインを控えるようにしてみましょう。

7.吐き気、二日酔い
食べすぎや、脂っぽいものの取りすぎで起こる吐き気は、消化不良が原因です。つらい吐き気ですが、アーユルヴェーダでは、溜まりすぎたカパを排出しようする正常な反応であると考えます。効果的な対処法は、しょうがのしぼり汁を白湯に入れて飲むこと。同時に、アグニ(消化力)を上げることも大切で、コリアンダーなどもすすめられます。
 
8.夏バテ
夏の暑さから起こる夏バテ。食欲の低下や倦怠感、ときにはめまいや発熱も伴います。アーユルヴェーダでは、この原因をアグニ(消化の火)の低下と考えます。
 
そのため、夏バテを改善しようとスタミナのつきそうな脂っこい食事をとることは逆効果。食事の量を減らし、熱すぎない白湯を飲み、夜は必ず重いものを控えましょう。また、適度な汗をかくことも必要です。汗には浄化、冷却作用があるからです。
 
部屋の環境を整えるのもおすすめ。青や緑など、自然を連想させる色を取り入れます。また、冷房はなるべく控え、窓を開けるなど、風が入ってくる工夫を。波の音など、ヒーリング効果のある音楽、ペパーミントなどの涼しげな香りを楽しむのも効果があるでしょう。
 
9.生理痛、月経トラブル
アーユルヴェーダでは、月経は「浄化のための自然現象」と捉えます。生理期間中は、ヴァータが増えるので、以下の7つの過ごし方を守ってみてください。
 
①十分な休息をとる…仕事をセーブする。
②昼寝を控える…血液循環が悪くなる。
③激しい運動は控える…15~30分程度の散歩などの軽い運動はよい。
④初日は洗髪を控える…頭部の刺激はエネルギーを乱すといわれている。
⑤チョコレートなどの刺激物を控える…体に刺激を与えるものを控え、消化が良いものを食べる。
⑥過激な刺激を避ける…五感が敏感なため。
⑦意識を内側に向ける…自分の体と心に意識を向ける。
 
また、生理中はスムーズに浄化を促すことが重要なので、タンポンではなく、ナプキンをおすすめします。ただし、市販のもので肌荒れを起こす方もいるため、オーガニックコットンを使用した布ナプキンで、より快適に生理期間を過ごすこともよいでしょう。
 
10.便秘、下痢
女性に多い便秘。便意をもよおしても我慢し、排便のリズムを狂わしてしまうことが、とても多いです。排泄にはヴァータが関わります。排便のリズムが狂うと、ヴァータが乱れ、ヴァータの持つ乾きと不規則の性質が便秘を引き起こします。
 
対処するためには、適度な油分のある食事、軽い運動、朝のトイレを習慣づけるように心がけましょう。「便秘には植物繊維」と、よく耳にしますが、アーユルヴェーダでは、不溶性植物繊維(水に溶けない植物繊維)の過剰摂取は、ヴァータを増加させると考えます。そのため、水溶性食物繊維をすすめます。ペクチンを含むリンゴを焼いて食べるのもよいでしょう。
 
11.肩こり、腰痛
慢性的な肩こりや腰痛は、主に筋肉の疲労が原因です。長時間同じ姿勢で座っていると、ヴァータとカパが乱れ、アーマ(未消化物)が蓄積されて起こります。また、無理や睡眠不足からも起こる場合があります。
 
長時間パソコンに向かっていたら、両腕を肩からゆっくり回してみたり、過剰なストレスを肩の荷と一緒に下ろして、血行を促進させましょう。痛みの原因はヴァータの増加ですが、消化力が弱まるとピッタ性の肩こり、運動不足が続くとカパ性の痛みが起こります。さらにアーマ(未消化物)の蓄積も、肩こりや腰痛の原因になるので注意しましょう。
 
12.花粉症、鼻水、鼻炎
日本人の約4人に1人が悩まされているといわれる花粉症。日本人に多いのは、春に発症するスギが原因の花粉症です。花粉症は、自律神経や免疫系のバランスが乱れると起こりやすくなるともいわれます。つまり、花粉だけに原因があるのではなく、体内に問題が起きているとアーユルヴェーダでは捉えます。冬の間の蓄積されたカパが、春に体内で増大し、花粉症が起きるというわけです。
 
対策としては、冬にカパを蓄積しないような生活を心がける。食事は腹8分目にし、温かいものをとりましょう。辛味の性質をもち、カパを減らすショウガや七味唐辛子などは、冬から取り入れていきます。逆に、チーズやヨーグルトなどの乳製品は控えるのが無難です。春になったら、フキなど苦味をもつ山菜類をとるのも効果的。
 
適度に体を動かすことは大切ですが、激しい運動はヴァータを増やします。そのため、ヨガなどは適度に行いましょう。また、鼻がむずむずする時は、鼻洗浄(鼻うがい)をするとすっきりします。
 
『アーユルヴェーダの鼻うがいと点鼻の方法!鼻水、鼻炎、花粉症によく効きます』

13.冷え性
女性に多い冷え性。男性より女性に起こりがちなのは、筋肉量が関係しています。筋肉が少ないと、基礎代謝が低くなり、体温が下がって冷え性になります。また、ヴァータやカパの過剰からも血液循環が悪くなり、消化力が低下して、冷え性が起こります。リラックスする時間と、運動を習慣づけ、心と体を楽にさせましょう。緊張感からも冷えを起こしますから、なにかを無理に変えようと力まず、ゆっくりとした入浴や定期的な運動などを心がけましょう。
その他、以下の3つのポイントを守ってみてください。
① 食生活を見直す
ヴァータを増やすもの(例えば香辛料などの辛味、緑黄色野菜などの渋みのもの、日本茶などの苦味の多い食べ物)を控える。 氷の入った飲み物など冷たい物を摂取しないよう心がけます。野菜なども生でなく温野菜がお勧めです。
体を温めるショウガやコショウ、ニンニク、唐辛子を適度にとるようにしましょう。
②精神的ストレスの少ない生活を送る
ストレスはヴァータを悪化させるため、冷えやすい体になります。呼吸法やヨガなどを実践し、心を落ち着けてみる。
③ 身体を温める
入浴、足浴(すりおろしたショウガ入りの40度程度のお湯を、両足首から20cmほどの高さの容器に張る。そこに足を20分程度入れる。)
 
14.更年期障害
閉経の前後約10年間を「更年期」、その間に起こるほてり、イライラ、抑うつなどの心身のトラブルを「更年期障害」といいます。更年期はだれにでも起こりますが、誰もが更年期障害になるとは限りません。卵巣機能が低下し、女性ホルモン・エストロゲンが急激に減り、自律神経のコントロールがうまくいかなくなると発生するといわれます。体がホルモンの変化に慣れると、いずれ症状はおさまりますが、深刻な場合は病院で受診することをおすすめします。
 
また、更年期はヴァータが増え始める時期。そのため、肌が乾燥したり、便秘や下痢、脱毛が起こりやすくなります。ヴァータ過剰が原因で、ピッタ、カパが増えていくことも多いです。アーユルヴェーダでは、更年期障害を以下の3つに分けています。
 
① ヴァータ性更年期障害……不安が多く、気分が変わりやすい、不眠になりやすい。皮膚や粘膜が乾燥したり、便秘と下痢を交互の繰り返すなどの症状が起きる。
② ピッタ性更年期障害……ほてりが起こる。イライラしがち。出血過多や皮膚病が起こりやすい。
③ カパ性更年期障害……未消化物を蓄積する。いつも眠く、体重が増加し、冷えやむくみが起こる。
 
ヴァータをはじめ、増加したドーシャを鎮めることが大切です。毎日オイルマッサージを行うとよいでしょう。また、未消化物をためない食事も心がけてください。
 
15.眼精疲労
眼精疲労は、目の乾燥や目の筋肉の疲労が原因。パソコンなどは時間を決めて使用し、ホットタオルを目に当てるなどして予防しましょう。眼精疲労はピッタが増えた状態、ドライアイはヴァータが増えた状態です。伝統的な対処法に、「ネートラ・タルパナ」と呼ばれる眼球浴があります。医療機関で受ける方法と、自宅でセルフケアする方法があるので、ぜひとも試してみてください。
 
16.視力回復
アーユルヴェーダは、視力回復にも役立つといわれています。
目はピッタ(火のエネルギー)に関係すると考えられます。そのため長時間パソコンやスマートフォンなどを使用することで目に過剰な光を浴びることになり、ピッタのエネルギーが増え、目のトラブルを引き起こすとも考えられます。
 
アーユルヴェーダには、ネートラ・タルパナというギーを点眼する方法があります。目薬をさすような爽快感ではないですが、目のピッタの過剰を鎮め視力の回復に役立つとされています。また、ヨガの目を上下左右などに動かす手法「ネトラヴィヤーヤマ」の実践で近眼および老眼を克服した方も多くいます。
 
ネトラヴィヤーヤマとは、目を繊細に動かす方法です。ものを見る時に重要な働きをしている筋肉「毛様体(もうようたい)」を、意識的に動かします。また、ネートラ・タルパナ(ギーの点眼)は、ドライアイなどに効果的です。
 
視力回復のための5つの方法
①毛様体筋を動かす
近視の方は、毛様体筋が常に緊張し、遠くを見ても水晶体が薄くならずに厚さを保つため、ものがぼやけてしまいます。
遠くと近くを交互に見るトレーニングを習慣づけ、毛様体筋を動かし、緊張をほぐしましょう。
その後、遠方凝視法(遠くの1点をじっと見つめる訓練)を行いましょう。これは、毛様体筋をゆるめ水晶体を薄くするトレーニングです。
 
②目をくまなく動かすエクササイズ
眼球の外側の外眼筋をエクササイズすると、ピントが合いやすくなります。この方法で視力が上がった方が多くいます。
  1. 目をギュッと強くつぶる
  2. 目を開き、顔を動かさないように保ちながら、目だけを上下に動かす
  3. 目をつむる
  4. 目を開き、2と同じ要領で左右に動かし、目をつむる
  5. 目を開き、2と同じ要領で時計回りに回し、目をつむる
  6. 目を開き、2と同じ要領で目を反時計回りに回し、目をつむる
③視力回復のツボ押し
気持ちよく押してみましょう。
  • 清明(せいめい):目頭のやや上
  • 攅竹(さんちく):眉毛の鼻側の端
  • 太陽(たいよう):こめかみ
  • 風池(ふうち):後頭部の左右真ん中
④蒸しタオルを目にあて、血行促進
目とその周辺を温めることで血管を広げ、血液の循環を良くさせる方法です。結果、新陳代謝が促進され、筋肉がほぐれリラックスしやすくなり、眼精疲労から起こる頭痛や肩コリを緩和する効果が期待できます。

⑤ギーの点眼
無塩バターから水分とタンパク質を取り除いた純粋油脂がギーです。ギーの効能は、数多くあるといわれますが、その中で目の充血、ドライアイ、紫外線による結膜炎などアーユルヴェーダでいうピッタ(火のエネルギー)をバランスさせる手助けになります。スポイトにギーを入れて目薬をさすように点眼します。その後20分程度は明るい光を見ないように目を休めておくようにします。
*目の炎症があるときは、専門家へご相談のうえ行ってください。

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【美容編】

17.ダイエット
アーユルヴェーダでは、老廃物を排出していくことの大切さを提唱しています。規則正しい生活習慣や、デトックスを通して、すらりとした体を手に入れることが可能です。その効果は、現在アーユルヴェーダがエステなどにも広がり、実践されていることからも裏付けられています。
 
アーユルヴェーダでは、すべての人に共通するダイエット方法はありません。その人の体質・体調にあわせて、適切な食事をアドバイスしたり、一日の生活習慣のバランスを整えていくのが特徴です。ときにはオイルマッサージ、ガルシャナ(乾布摩擦)、白湯飲みなどを取り入れながら、体内の老廃物を最適な方法で排出します。
 
18.美肌効果
アーユルヴェーダでは、皮膚と内臓はつながっていると考えます。一番外側の皮膚をきれいに保つことは、内臓をきれいにすることと同じです。

19.髪ツヤがよくなる
日々のライフスタイルは、髪にも大きな影響を与えます。アーユルヴェーダはでは、部分は全体を表すものと捉えています。そのため髪の艶も全身の健康状態のバロメーターでもあります。
ヴァータが過剰な場合は、パサつき、枝毛などになりやすく、ピッタが過剰になると、髪に腰がなく、ぺたつきやすくなります。またカパが過剰な場合は、頭皮がぶよついて、脂うきしたりします。このようにアーユルヴェーダでは、体全体のバランスが結果として、美を作ると考えています。
 
アーユルヴェーダでは、髪は「マジャマラ(骨の老廃物)」と呼びます。これは髪は、心や体のバランスを整えることで結果として、美しい髪につながっていくと考える言葉です。また東洋医学では「髪は血餘なり」と言い、これはまさに食事の質が髪に影響することを教える言葉です。

ドライヘアの対処法
また、ヴァータの過剰は髪を乾燥させ、ばさつきや枝毛など、ドライヘアの原因になります。
ごま油によるオイルマッサージを習慣づけたり、食事はヴァータを増やさないものを選ぶことが大切です。 
 
脱毛
不健康な食事や髪へのダメージ(シャンプーやリンス、ヘアダイ、整髪料)、日光の浴びすぎなどが原因で起こります。
またアーユルヴェーダでは、ヴァータが過剰になると髪が細くなり乾燥し、薄くなるとしています。過度のストレスも脱毛の原因となると考えます。ストレスから神経的なダメージを受けヴァータをアンバランスし、またイライラすることでピッタを過剰にすることが、抜け毛の大きな原因とも考えます。
 
ストレスに対して深呼吸をして、心を落ち着かせてみることも抜け毛には遠巻きなことのように見えますが、効果的と考えられます。特に天然の精神安定剤とも呼ばれる呼吸を行うこともすすめられます。それは、吸う息を4、息を止めて7、息を8のカウントで吐くを1セットとして4セット程度行うというものです。
 
シャンプー剤は、シリコンを含まないというだけでなく、できるだけ天然成分の良質なものを選びましょう。昔の日本では、女性は生理中洗髪しないことや、毎日シャンプーする習慣はありませんでした。これはインドのアーユルヴェーダと相通じるところです。過剰なシャンプーや整髪料、ヘアダイなどを減らすように心がけてみましょう。
 
頭皮の緊張感
頭皮をピンと張り詰めすぎ血行を悪くするなど頭皮を緊張させることによるストレスも薄毛の原因となります。仕事で髪をまとめることがあっても髪にもオフの日や夜は休めるようにしてみることも大切です。妊娠や閉経などのホルモンの変化なども薄毛の原因となります。
 
20.アンチエイジング効果
しわ、たるみなど、老化防止、加齢によるサインは、ヴァータから引き起こされてきます。ヴァータを増やさないライフスタイルは、結果として気になるしわやたるみなどの予防になります。
そのために必要なことは、毎日の生活に規則的なリズムをつくること。体を乾燥から守るためにオイルケアを行うことなども勧められます。食事ではヴァータをバランスする食事をとることや日々の生活に張りをもって楽しく生活することも大切です。年齢は引き返すことができませんが、老化の進行をヴァータのバランスをとりながらスローにしていきましょう。

参照: ヴァータの食事法を紹介!食材、味など、アーユルヴェーダの体質別食事のポイント
参考文献:
「アーユルヴェーダきほんBOOK」
「アーユルヴェーダ入門」
筆者:
西川眞知子

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